3. パッケージのビルドインフラに i18n [の仕組み]を取り込み

さて、前のセクションでのすべての作業の後で、 すべての国際化にまつわる変更をビルドシステムに取り込むように変更するべきところまで来ました。 このビルドシステムへの変更によっておおまかに三つのカテゴリに落しこむことのできる機能を得られます。

パッケージが aclocal, autoheader, autoconf そして automake を走らせるために autogen.sh スクリプトを実行する、 標準的なビルド方法を利用していることを前提とします。 これ以降のセクションでする必要のあるすべての変更は configure.in ファイルといくつかの Makefile.am ファイルに対するものです。

GNOME での i18n サポートは Darin Adler、Maciej Stachowiak そして Kenneth Christiansen の書いた intltool ツールに強く頼っています。 基本的には intltool は GNU gettext の機能を desktop ファイル、GladeGconf のサポートファイル、 XML ファイル、 そして他の二三のもはや一般的には使用されていない種類のものを含めるために拡張したものです。 autogen.sh レベルからパッケージを構築する際に必要なのは intltool だけです。 配布するアーカイブには対応するスクリプトのコピーが含まれているので、 ユーザーのマシン上に intltool がある必要はありません。

注意

intltool の特別な機能を必要としないようなとても低レベルのライブラリを作っているのなら、 パッケージではただ gettext だけを使うことも可能でしょう。 けれども intltool のオーバーヘッドはごくわずかであり簡単に使えるので、 今のところこのチュートリアルではこのような場合についてはふれていません。