GNOME 2 の長い開発サイクルにおいて、 パフォーマンスやユーサビリティを向上させるたくさんの機能が導入できました。 それには、開発者が活用できる強力な新しいフレームワークも含まれています。
フォントのアンチエイリアスができるようになった (お好みのとおりにアンチエイリアスしないことも、 特定のサイズでだけアンチエイリアスすることもできます)。
GTK アプリケーションでちらつきが無くなった。
画像は真のアルファチャンネルと共に背景に合成されます。 合成は MMX と RENDER 拡張によって高速化されています
強化されたアイコン。
合理性、整合性、そして一貫性は GNOME 2 のユーサビリティ (有用性・使いやすさ) についての作業の第一の焦点でした。 これらはすべて、我々のデザインの焦点として、 ユーザであるあなたのために考慮しようとしてきたものです。
合理化: たくさんの新しいガジェットや設定項目を 追加するよりもむしろ、GNOME 2 では合理化がおこなわれました。 ごちゃごちゃしたインターフェイスにより、GNOME は文字どおり 「たくさんあるけど、たいしたことはできない」ものになっていました。 GNOME 2 ではたくさんの曖昧な、また、めったに使われない機能を 省きました(1 つか 2 つくらいは、あなたが個人的に気に 入っていたものがあったかもしれません)。 そのかわり、気になるようなほとんどの機能はアクセスしやすいものと なってます。何百万もの項目に埋もれて曖昧になるようなことがないからです。
整合性: 整合性のある パターンに従って振る舞うインターフェイスは容易に学べ、 すばやく利用でき、間違えにくくなります。 GNOME ヒューマン・インターフェイス・ガイドライン のおかげで、 GNOME 2 のインターフェイスは、挙動がより予測しやいものとなり、 アプリケーション間での整合性を生み出し、 個々のアプリケーションの中においても使いやすい パターンを促すようになりました。
一貫性: GNOME 2 デスクトップはしっくりきます。 "ログイン" から "ログアウトquot; まで、 ユーサビリティの研究、数え切れないブレインストーミング、 そし疲れをしらないハッキングにより、 — モジュールのゆるやかな連合体以上の — 一体感のあるデスクトップが生み出されました。
個々の目に見える向上点:
ワークスペース切り替えアプレットで、ワークスペース 間でウインドウをドラッグできます
メニューは大きくなりすぐたら、スクロールします
賢くなったメニューは、マウスの対角線の動きに対応しました
ファイル選択の時に、別のディレクトリを選択してもファイル名が消えてしまいません
色やフォントの選択を改良しました
新しい「プログラムの実行」ダイアログではコマンドの補完ができます
テキストフィールドで右クリックすると、メニューテキストの切り取りや、コピー、貼り付けを含んだメニューが現われます
新しいストック・アイコンとカラーパレット
ストック・アイコンのテーマ化のサポート
CD プレーヤー と ログイン画面もテーマ化されました
デフォルトの外観はすっきりして、魅力的なものに
デザインし直され、使いやすくなった検索ツール
まったく新しく、軽くなったヘルプ・アプリケーション Yelp
GNOME 2 の設定を操作する コントロールセンター アプリケーションは大幅に簡略化され、数を減らしました
freedesktop.org 標準へより準拠するようになりました
ターミナル・アプリケーションは書き直され、タブやプロファイルが付きました
まったく新しい、動的かつ集中化された設定システム
多くのアプリケーションの名前が、その目的に、より合ったものに変更されました
GNOME 2 では古く遅いマシン上であっても、 以前のバージョンや他の競合者に比べてもパフォーマンスの向上が顕著に見られます:
96 Mb RAM を積んだ P2-233 のマシンにスムーズにインストールできました。 Nautilus では 5 秒以下で新しいウインドウを開けます (私の GHz マシンであっても 1.4 の時は Nautilus はもっと長い時間がかかってたので、 この変化はとても喜ばしいです)。
(おおげさなようだけど、私のラップトップ上の Windows XP よりも速いです…XP では Explorer を開くのにかなり長くかかります。そして他のタスクも若干速いです)。
GNOME アクセシビリティ・プロジェクト の功績により、 GNOME 2 ではキーボード・ナビゲーションが向上しました。 開発者はニーモニックを実装しやすくなり、 新しいツリー・ウィジェットではキーボード・ナビゲーションが改良され、 標準が既に存在するところではキーの割り当ての統一性も向上しました
キーボード・ナビゲーションはすべてのユーザにとって役立つ、 アクセシビリティのサポートにおいて中核を成すものです。 しかしアクセシビリティのサポートには他に多くの面があります。
アクセシビリティのサポートの中心となる GTK へのフックです。 このフックによって、外部のプログラムが GUI の状況を問い合わせることができます。 たとえば、どんなボタンやメニュー・アイテムがあるのか、 それらがどのような状態にあるのか、ラベルにはなんて書いてあるのか、 などを外部のプログラムから問い合わせることができます。 たとえば、画面を読み上げるシステムで利用して、 目の見えないユーザへ通知するということができます。
"ファイルメニューを選択し, 開く、すべて選択、 コピーを選ぶ" といったコマンドを備えた高レベルのスクリプティング機能を実装できます。 この種のスクリプティングは、ユーザが理解可能な高いレベルの GUI 機能を使用し、 アプリケーションによるスクリプティング用の特別なサポートには依存しません。 どんな GTK アプリケーションでも自動的に働きます。
国際化において、2 つの大きな変更点があります:
GNOME 2 では全体的に Unicode へ移行しました。 そのため、複数の言語や文字を同じ文書に混在させることができるようになり、 小さい丸や飾り文字といったファンキーな記号も文書で利用できます。
GNOME 2 は右から左へ書いたり、リガチャや順序の入れ替えが必要だったりするような 『難しい』言語を扱えます。
Unicode の利用が大きく意味するところは、 同じコードでヨーロッパやアジアの文書を利用できるということです。 そのため、GNOME はそのままで、すべての国で (インプットメソッドを除けば) ほとんどそのままで利用できるということです。
GNOME 2 は、入手可能なものの中で、もっとも完全かつ標準に準拠したフリーな XMLライブラリの一つである libxml2 を利用する最初の GNOME のリリースになります。 libxml2 には XSLT 規格の完全な実装である libxslt も含まれています。